mahoutukaikunのブログ

対話、コミュニケーション、思考について研究中のみかんです。研究のきっかけとなったカルマの法則やカルマタロットの紹介もさせていただいています。 何気ないある日だったり、感じたことだったりを、気ままに更新できたらと思っています。 日常の呟きの中で、少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。 どうぞよろしくお願いいたします。

老舗デパート 6

カルマタロットについて、もう少し掘りさげて、別の角度から入ってみたいと思う。


あなたが名門サッカークラブのコーチだったとする。。
ある日、入団テストがあり、あなたから見ても目を引く数人がいて、順当に合格した。
もちろん、不合格だった選手もいる。
その中で、コーチであるあなたから見ても、なぜ合格したのか理解できない選手Aがいた。
ヘタクソというわけではないけれど、、特別何か秀でている様子もない。
しかも、その選手Aは監督が指名して、入団テストを受けにきたらしい。。

スタートしてみたら、他の選手に比べて、これといって得意なものがない。。
その上、足の使い方が妙なため?足もさほど速くなく、ドリブルが不得意という弱点も持っている。

コーチのあなたは、
『あの足の癖を直して、ドリブルを上達さすにはどうしたら良いか?』
と考える。
しかし、名門クラブだからこそ、通常、厳しく指導することで知られているチームの監督から、
『あれはあのままでよい。でも、ボールの扱い方や、基礎的なことはしっかり教えてやってくれ。』
と、あなたからすると耳を疑うような指示を受けた。

腑に落ちないまま、とりあえずは他の選手と一緒に指導を何年か続けることになる。

名門チームの練習プログラムは完成されていて、継続して積み重ねているうちに、基礎体力的なものはきっちり作り上げられる。


やがて5年が過ぎ、監督が、その年で最も大事な試合に例のドリブルが苦手な選手Aを、スタメンで出場させると決定し、
試合前のその選手Aに
『レギュラーを自分で勝ち取ってみろ。ずっとベンチでくやしくないのか?』
と送りだした。

試合が始まってから、想像通り?選手Aの動きがずっともたついている。
一年で最も大事な試合なのだから、なんとしても勝たなければいけないのに、、、。
コーチのあなたは、いてもたってもいられず、選手の交替を考えるが、監督は、黙って見守っている。(しかし、いつになく緊張感がある。)

試合は1対0で相手チームに先制を許したまま進む。
そして、試合終了の3分前、選手Aにボールが渡る。
相手チームが、ここぞとばかりに、ボールを奪いにくる。選手Aの走るスピートがあまり早くないことを相手チームも知っていたのかもしれない。。
奪われたらダメだしの一点追加で、敗けが決定的になる。

コーチのあなたは、試合終了手前で諦めそうになる。

その時だった!選手Aの動きが変わった。

あなたは、その試合会場で、
入団以来、ドリブルが不得意(だとあなたが思っていた)選手Aが、見たことのない変則ドリブルで、あなたの前を走り抜け、
ゴール前では、相手のディフェンスからタイミングをずらせた見事なスルーパスをし、
パスを受けた味方選手が同点ゴールを決めるまでを
呆気に取られながら、眺めた。


あの妙(だと思っていた)足の動きは、この見たことのないドリブルや、タイミングの掴めないパスの源だったことを、あなたは、気づいた。。。
どんなに足が速くても、あの動きには追い付けないし、、変則なため、誰もタイミングを予測できないため、見事なスルーパスも可能になる。

そして、選手Aにとって、悔しさや惨めさで逃げ出したいけれど、、逃げれる状況ではなく、まさにギリギリの状況に追い込まれたことが、才能(能力)を自分のものにできるきっかけとなったのかもしれない。
(映画や漫画で、追い込まれて最悪な?状況で、スーパーなんとかに変身したりする、あの仕組みに近い)

さて、、、例え話がヘタクソで申し訳ないけれど、、
この話の中で、最もすごいのは、監督ということには気づいていただけただろうか?

コーチのあなたから見て、妙な足の動きをする癖を矯正させるべき!と思っていた、その弱点こそ、その選手Aのエメラルドであることを、監督は何年も前から見抜いていたことになる。

選手Aは、才能はあったかもしれないけれど、もしかしたら、一生、能力が開花されずに終わっていた可能性もある。

監督に出会ったことが、なにより幸運だった(と私は考える。)

通常、簡単には真似できない変則ドリブルや、パスをギリギリの場面で、ついに自分のものにした選手Aにとっての、入団テストの指名時からの監督という存在が、誰にでもいてくれたらいいのに。(と思う。)

しかし、上記のような監督が、日常茶飯事に近くにいて、自分を何年も見守ってくれていることはなかなかない。。

また、コーチにとっても、監督との出会い、この選手Aとの出会いは、今後の自分の前提を変える大きなきっかけに違いないけれど、、これもまた人生観を変えるほどの出会いなど、通常は簡単にはない(実は、こちらについては、意外に日常であると私は思っているけれど、監督の存在がなければ、前提の違いに気づかずに、終わる可能性のほうが高い。)

しかも、前提が変わったところで、今後のチームの新人に同じようなタイプがいたとして、選手Aのような能力の持ち主なのか?それとも、ただの癖?で直すべきなのか?は、分かりようもない。


しかし、しかし、ぜひ会って、直接指導を受けてみたい監督に会わずして、この流れを作ることができる仕組みがある(かもしれない。)

それが、カルマタロットだ。

監督は、ある人にとっては、前提の違いを疑う必要があったり、、また、ある人にとっては勝負どころだったり、、または、チャンスを作ってくれるために 、、登場する。


次回にこの続きを書きたいと思っている。