mahoutukaikunのブログ

対話、コミュニケーション、思考について研究中のみかんです。研究のきっかけとなったカルマの法則やカルマタロットの紹介もさせていただいています。 何気ないある日だったり、感じたことだったりを、気ままに更新できたらと思っています。 日常の呟きの中で、少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。 どうぞよろしくお願いいたします。

ゴール

今回も、前回同様に高校時代の運動部について、もう少し書いてみたい。

私の所属していた部の特色は、
『走って点数を稼ぐ』(脚力勝負)だった。

全国大会に行き、トーナメントを勝ち進めば進むほど、
全般的に、強いチームは際立って体格が良い。

まともに攻めては力でねじ伏せられてしまうので、技術と速さと持久力で勝負する。

では、守り(ディフェンス)では力負けしないのか?
というと、もちろん通常ならばあっさりと振り切られてしまうので、それを防ぐために、徹底的に脚を使ってチームで鉄壁のラインを引く。

この『脚』を作り上げていく上で、走り込みは欠かせない。

弊部は、、、もれなく一年中(ものすごい距離と量の)走り込みを行っていた。

単純に外周10周をしてから、練習スタートという日もあれば、コートの中で、スピードの強化をしながら、持久力アップも狙う。というような、単純な走りだけではないメニューも、多様に行った記憶がある。

毎日、毎日、周りの環境や、チームや、自分の状況、状態など、一切関係なく、練習が繰り返される。


そして、
練習時は、何時なんどき、どんな状況下であっても、、

『一切の言い訳無用。』
であった。

『君の都合(意見)など聞いてない。』
の世界なのだ、、、。


その厳しい前提を具体的に例にすると、、

練習の中には、グラウンド一周を、決められた時間制限内に走って戻ってくること。というメニューがあった。

時間内に戻ってきたら、それを1回とカウントしてよく、3回カウントできたら、クリアとなる。

さて、我が部は部員数が多かった、、。
グラウンドを一周するためのスタートラインの段階から、縦に何列にもなってしまう。(もちろん、後ろの列に並ぶほど不利になる)

そして、私たち一年生は、何列目に並ぶことができるかというと、最後尾のみ許されていた。。。。

監督の『スリー、ツー、ワン、、ゴー!!』
という号令で、スタートダッシュし、、ゴールを目指して全力で走る。
コーナーを曲がったあたりで
ゴール前で監督が仁王立ちして秒数をカウントしているのが聞こえる。
『お前らー眠ってんのとちゃうか?!ちんたら走るな!
51、52、53、54、55、、60、、ここからうしろ、全員やりなおし!65、66、、』

走った後に分かったのだけれど、、
先輩方でもあまり余裕のない制限時間だったらしい。
(先輩方は、それはそれは走るのが早かった。それをもってしても余裕がない、、、と考えていただけたら分かりやすいかもしれない。)

私は、ゴール後に、すぐ次のスタートへ向けて最後尾に並び、全力で走る。を、繰り返し、5周目を終えたあたりで、
(これは、まずい。。。。)
と、ようやく気づいた。


何がまずいのかというと、この全力疾走は、最前列から順番に先輩方が3回ずつクリアして、列からアウトしていくと考えて、、さらに、そこから自分がクリアするためには、下手すると、10周どころではすまないことに気づいたからなのだ。
ただでさえ、自分は体力がないのだから、回数が増えれば増えるほど、ハードルが上がっていく。


ここでおさらいすると、現在の自分がおかれている立場が、
「ちょっとやそっとでクリアできない」ということを、
私はスタートラインでは全くわかっていなかった。

監督からの指示である
『制限時間』と『グラウンド一周』。という2つを併せた時の意味合い(整合性)について、全く無知だったため。という理由もあるし、
それに併せて、常に最後尾からのスタートが、最前列からのスタートだったなら、制限時間内に戻ってこれていた秒数だったとしても、現実は何度も何度も何度もやり直しとなることを、想定してなかったから、、と言える。
(事実、5周ともこれに充当した)


私は5周目を走った後、ヘロヘロな状態でこれに気づいた。

つまり、同じメニューをこなしながらも、、最前列の先輩方は、スピード勝負かもしれないけれど、最後尾の私達は持久力勝負なのだ。
先輩は最速で走り、いかに短い回数でクリアするかが、勝負の分かれ目になり、(最も弱い)私達、最後尾は、クリアしていく先輩方を横目に、(最前列から走る)チャンスが来るまでどれ程耐えに耐え、忍びに忍ぶことができるか?がポイントとなる。

「理不尽」
この言葉を、ゴクリと飲み込み、ひたすらゴールを目指して走るしかない。

『君の都合(意見)など聞いてない。』
のだから、、、。


耐えに耐え、忍びに忍ぶのは、体力的なものだけではない。

上記の持久力勝負に気づいたあとの6周目からは、
誰からも見えるグラウンドで、先輩方が颯爽と走り抜け、さっさとクリアしていく中、自分はおおよそビリッケツのあたりで何度も走り続け、ようやく最前列のチャンスが巡って来たときには、、スピードも上がらずヨレヨレ状態でなんとかゴールをする。
その姿を周りに披露し続ける精神的な苦痛も大きい。


しかし、そんなことは言ってられない。
目指すゴールはグラウンド一周を走り、時間内に戻ってくる。
それを3回クリアすることであり、、
自分は最も弱い立場にいて、常に最後尾からのスタートしかできない上に、体力にも自信がないのだから、

カッコ悪かろうが、なんだろうが、それしか道はない。



私は、通常の世界でも理不尽は溢れているし、
(君の都合(意見)など聞いてない。)場合も少なくないと思っている。

だからこそ、
『ゴールを諦めたくないなら、カッコ悪くてもやるしかない。』

これができるかどうかで、未来は大きく変わると考えている。




それに、、、、
まずは1年間、耐えに耐え、悔しさに涙しながら、ゴールを目指して諦めなかった場合、
カッコ悪さの代償として、、もしかしたら、、
貴重な 武器 が手に入るかもしれないとしたら??

やってみる価値はあると思う。